町田ゼルビア、サポーターの反対を押しきってまで名前を変更すべきか

投稿者: | 2020年11月11日

FC町田ゼルビアが町田TOKYOに名前を変更すると発表しています。理由は“ゼルビア”が覚えにくいということや“東京”を使いたいということからだということです。しかし、この改名にどれだけの意味と効果があるのでしょうか。(この記事は2019年10月13日の記事を再度アップしなおしたものです)

町田ゼルビアというチーム

町田ゼルビアといえばジュニア世代からチームを持つ、大所帯のJリーグのチームです。トップチームがJ2にまで上がっていることもありますが、ジュニアユースカテゴリーのチームは東京ではT1と呼ばれる1部リーグに所属している有名チームで、ジュニアユースの他チームからすると、名前に町田と着いているチームはいくつかあっても、ゼルビアと聞くと、「強い」というイメージのあるチームなのです。

ジュニアユースには東京ヴェルディやFC東京の下部組織のチームがあります。その他にも三菱養和やトッカーノ、Forza‘02といった名前の強豪チームがあります、その中でも強いイメージを持つ“ゼルビア”をここにきて改名する意味があるのでしょうか。

“ゼルビア”覚えにくいと感じるのはサッカーに興味がないから

ゼルビアが覚えにくい、という理由はそもそも改名の理由としては成り立ちません。覚えにくい名前というのは、初期段階の新しいネーミング商品であれば当然のことであり、時間をかけて浸透していくものです。また、「覚えにくい」という言葉には、このような場合、私にとっては、というエクスキューズが入るもので、共通の認識として使うのは甚だしくおかしい場面です。町田ゼルビアの場合、プロチームやジュニアユースチームの関係者への名前の浸透段階という視点から見た場合、十分浸透している名前と言えるのではないでしょうか。

中学生のサッカー少年に聞けば“町田ゼルビア”と言って知らない子はモグリと言われるでしょう。大人もサッカーが好きで見ている人なら誰でも知っている名前です。ここにきて、ゼルビアという名前が覚えにくいというのは、それほどサッカーに興味がないと言っているようなものです。おそらく、親会社の社長は買収をしたものの、サッカーがそれほど好きではない、あるいは見ていないということでしょう。買収はビジネスでしかない、と考えざるを得ない発言でしかありません。

チーム名はサッカーの神秘性を表現している

覚えにくいから世間に浸透しにくい、というのであれば、フロンターレやヴィッセル、ベルマーレ、サンフレッチェ、コンサドーレ、ベガルタ、ジュビロ、トリニータなどはファンなどいなくなってしまいます。先日Vファンファーレの名前が覚えにくいと発言した親会社の社長が謝罪をしていますが、覚えにくいのは本当のことであり、そこを謝罪するなら“ゼルビア”のサポーターに謝罪し改名はすべきではないでしょう。

Jリーグのチーム名を見ると分かるように、サッカーのチーム名は独特であり、当初は覚えにくいのです。しかし、どこか海外の聞いたこともないようなサッカー王国に連れて行ってくれているような神秘的な名前が、日本では伝統的なサッカーチームのチーム名です。ファンタスティックという訳の分からない言葉でも上手に思えてしまうスポーツがサッカーなのです。それを象徴するのがJリーグの訳の分からないチーム名なのではないでしょうか。

こんな素敵なネーミングの伝統を持つスポーツのチーム名を“覚えにくい”といったサッカー知らずの親会社に改名を許してもいいのでしょうか?

ジュニアユースの“ゼルビア”が覚えにくいのであれば、ジュニアユースでは東京では強豪の三菱養和、トッカーノ、ジェファ、Forza‘02、Cosorteなどはすぐに改名すべきでしょう。しかし、上記チームは言わずとしれた強豪チーム、ジュニアユースを見ている人なら誰でも知っているチーム名であり、ジュニアユースを目指している子供は憧れを持つ名前なのです。

“ゼルビア”が覚えにくいと感じるなら、覚えるまでサッカーを愛し、もっと試合を見るべきでしょう。そして強いチームにするしかない。しかし、東京のジュニアユースではすでに“ゼルビア”は強い名前になっているのです。“ゼルビア“のどこが覚えにくいのか理解できません。

TOKYOとつけなくても世界にチーム名を浸透させることはできる

また、東京は絶対使うべきだ、と言う理由も、疑問符を付けたくなる理由です。東京という名前は世界的に知られていますが、だからサッカーチームに必要か?というとその理由が見当たりません。

東京の不動産が欲しい、ということであれば東京というブランドが役に立っているのでしょうし、東京でなければ買うことができません。しかし、サッカーチームにTOKYOとついているからという理由でファンが増えたり、世界的に浸透したりするのでしょうか。

例えば“ヴィッセル神戸“は兵庫という県名は使っていませんが、スペイン人のサッカーファンでも知っている名前です。仮に県名がついていたとしても兵庫であり、東京ではありません。ヴィッセル神戸がなぜスペイン人に知られているか、それは説明するまでもないでしょう。

改名しなくても世界に浸透させることは可能なのです。

このような点から、“ゼルビア”を辞めて東京とつけるのはビジネス、つまり「親会社の都合」としか思わざるを得ない改名劇だと言えるでしょう。サッカーではなく、他の視点からしかチーム名を考えていない、そう勘ぐってもおかしくない言動でしょう。

開き直るのは人としてあまり良くない

開き直ることが良いことではありません。改名の会議で「後ろめたいことがないから自分で表に出ている」みたいなことを言っていますが、後ろめたいことがあってもなくても、表に出るのが上場企業の代表が果たすべき使命であり、表に出たからうんぬんと、上場企業の代表が胸を張って言うことではありません。

開き直ることは難しいようで案外簡単なことです。ここではあまり説明をしませんが、悪いと思っている確信犯ほど、開き直ることの方が簡単です。

“ゼルビア”という名前とチームに込められた思い

“ゼルビア“という名前は町田市の樹・ケヤキ「zelkova」(ゼルコヴァ)と、花・サルビア「salvia」を合わせた造語だと言います。チーム創成期に付けられた、町田市民とサポーターの思いが込められた名前だと言えます。

また、町田ゼルビアが2011年に初めて明文化したスローガンは「ALL POWER MACHIDA」、2012年 「ALL POWER MACHIDA~町田イズム~」 「その後2015年が「+1〜熱き想いとトモニ〜」や2018年には「+one もっと町田の笑顔のために」といったようにチームは町田市とともに歩んできたと言っていいでしょう。

J2昇格も今の親会社がスポンサーになる前に果たしています。このような経緯がありながら、昨年いきなりスポンサーになった親会社の納得のいかない意向でチーム名から“ゼルビア”をなくすのはファンならずともとても心外であり、残念なことと言わざるを得ません。 少なくともこのようなことが今後他のチームで起きないことを祈るのみです。

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